染色体異常をみつけたら Q&A −目次
反復流産胎児の核型
質問:
36歳の女性。過去3年の間に3回自然流産し、その度に流産胎児(絨毛)の染色体分析をしてそれぞれ違う染色体異常でした。生児はありません。どう解釈すべきか、ご教示ください。
1回目の流産胎児 | 69,XXY[20] | |
2回目の流産胎盤 | 47,XY,+12[2]/46,XY[28] | |
3回目の流産絨毛 | 45,X[20] | |
本人の末梢血リンパ球 | 46,XX |
回答:
3回の自然流産は @ 三倍体、A トリソミー12モザイク、B モノソミーX(生まれればTurner症候群)で、それぞれ違う機転により生じた染色体数の異常です。運が悪いとしか言いようがありません。
反復流産で流産胎児を分析すると、ひとつひとつが違う染色体異常であることが多いので、この結果は意外ではありません。36歳なので、もう一度妊娠を試みるべきでしょう。妊娠して16週まで維持できたら、羊水染色体分析を受けるのが理論的に適当だと考えます。
反復流産に限らず、リプロダクションの異常では夫妻の片方だけを染色体分析するのは好ましくありません。夫妻を同時に分析すべきです。
関連項目
06c 反復流産と染色体異常
梶井 [2006年8月1日]